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・・俺はただあいつに、笑っていてほしかっただけなのかもしれない。 涼宮ハルヒの再会 (1) いろいろありすぎた一年を越え、俺の初々しく繊細だった精神は、図太くとてもタフなものになっていた。 今の俺ならば、隣の席に座っている女の子が、突然『私、実はこの世界とは違う世界からやって来ているんです』などと言いだしたとしても、決して驚かないだろう。 愛すべき未来人の先輩や無口で万能な宇宙人、そして限定的な爽やか超能力者たちとともにハルヒに振り回されて過ごしたこの一年間は、俺があと何十年生きようとも、生涯で最も濃密な一年になるはずだ。 と言うより、そうなってくれないと困るな。 これ以上のことは、さすがの俺も御免こうむりたい。 いくらなんでも毎年毎年、クラスメイトに殺されかけるような事態は起こらないはず・・・と、思いたいな、うん。 北高に入学してから丸一年がたち、SOS団の団長及び団員はみな、無事進級した。 まぁ、“無事”などという表現が必要なのはどうやら俺だけだったようだが。 もっとも、万が一俺が留年し、一年生をやり直すなどという事態になれば、ハルヒの雷が落ちるのは間違いなかったわけで、そうなれば古泉の機関も黙ってはいなかったであろう。 来年、俺が留年しそうになったら頼むぜ、古泉。 「申し訳ありませんが、あなたの学業のことに関しては、機関はノータッチを貫かせていただきますよ。」 冗談だ。俺もお前や、お前の機関にできるだけ借りなんて作りたくないからな。 「それは結構。では、とりあえず今度の中間テストの結果を楽しみにしておきますよ。」 ふん、誰がお前にテストの成績なぞ教えてやるものか。 「いえいえ、あなたの口から直接伺えるとは僕も思ってはいませんよ。あなたもご存知の通り、この学校には僕や生徒会長の彼以外にも、機関の息のかかった者はおりますので、ご心配なく。」 いやいや、逆に心配になるんだが。 一体お前の機関にどこまで俺のことを調べられているのやら。 「おや、興味がおありですか。では少しお話ししましょうか、あれはたしかあなたが中学2年生の6月・・・」 「おい、こらちょっと待て、誰が話せと言った。」 それは、この約3年間の月日をかけて、ようやく記憶の片隅に追いやった、二度と思い出したくないエピソードだ。 勝手に引っ張り出してくるな。 「そうですか、それは残念ですね。やはり記録として活字で上がってくるものを確認するのと、本人のリアクションを見ながら確認するのでは、だいぶ違いがあるのではと思ったのですが。」 「いいか、その話は二度とするな。特にハルヒの前では絶対にだ。」 「それはもちろん分かっていますよ。僕のほうとしましても、いたずらに涼宮さんの心をかき乱すようなまねは避けたいですしね。」 ハルヒだけではない、この場に朝比奈さんがいなくて本当によかった。 あんな恥ずかしい話を朝比奈さんに聞かれた日には・・・ ああ、いや、これ以上考えるのはやめにしよう。 軽く思い出すだけで、激しい自己嫌悪に襲われる。 とにかく、あの二人に聞かれなかっただけ良しとしよう。 俺が部室に着いた時にはもう、いつも通りのポジションで本を広げていた長門には、話の触りを聞かれてしまったが、あいつのことだ、とっくに承知のことなのだろうし、仮に知らなかったとしても何ともないだろう。 先ほど、古泉の野郎があの話をしそうになったときに、長門がこちらをジトっとした目で見ていたのはなにかの間違いだろう、うん、そうに違いない。 その後、いつもより少し遅れてやってきた朝比奈さんのいれてくれたお茶を飲みながら古泉とゲームをし(当然俺の全勝だったのだが)、同じく遅れてきたハルヒによって朝比奈さんがおもちゃと化すのをなんとか止め、長門が本を閉じるのを合図に帰宅する、というこの一年の間にすっかり定着したこの日常を、俺はいたく気に入っていた。 だってそうだろ。 未来人や宇宙人、自分の望み通りのことをおこせるトンデモ少女(古泉の機関に言わせると“神”か)なんていう、ありえない肩書きをもっているとは言え、学校でもトップクラスの美少女たちに囲まれて、毎日の暇な放課後に色を加えることができるのだ。 まぁ、リーダーである団長様がアレなので、今の俺のポジションを羨む野郎なんてのは、つい一月ほど前に入学してきたばかりの新一年生にしかいないだろうが、人って生き物は慣れてさえしまえば、あとはなんとでもなるものである。 最初にも言ったが、俺はハルヒ絡みのことではちょっとやそっとじゃ驚けない体質になってしまっている。 宇宙人、未来人、超能力者が揃い踏みのこの空間で普通に過ごしている俺にとってみれば、身の危険さえ迫らねば、あとのことはたいてい黙って見過ごすことができるだろう。 そう、それがハルヒ絡みのことであれば、だ。
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ハルヒが誘拐された。 犯人は俺に4つの鍵を集めればハルヒを返すといった。 鍵というのは、SOS団の他のメンバーのことらしい。 つまり、SOS団が揃えばいいということらしい。 とりあえずハルヒを取り戻したい。そういう思いで俺は長門のマンションを訪ねた。
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ハルヒ「本当、退屈」 キョン「ああ、そうだな」 ハルヒ「…………………」 キョン「…………………」
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名前 涼宮ハルヒ 種族 ゲストトレーナー(♀) うp主 なし 特記事項 ・涼宮ハルヒシリーズヒロイン CV 平野綾 「東中出身、涼宮ハルヒ。ただの人間には興味ありません。 この中に宇宙人、未来人、異世界人、超能力者がいたら、あたしのところへ来なさい。 以上!」 『涼宮ハルヒ』シリーズのヒロイン。間違われがちだが主人公ではない(*1)。 天上天下唯我独尊の破天荒美少女。 退屈を嫌っており、面白いことを探すために自らを団長とする謎クラブ「SOS団」を結成。 実は、「どんな非常識なことでも思ったことを実現させる」という能力を持っているのだが、 本人は周囲の人間の正体含め、その事実に関してまったく気づいてない。 (SOS団含む周囲のメンバーが徹底して彼女にだけは気付かれないように行動するため) 彼女が嫉妬しただけで閉鎖空間が発生する事がある。迷惑な話である。 +閉鎖空間 閉鎖空間 彼女のイライラが原因で発生する空間。 灰色の空が覆う現実世界と似ているが誰もいない世界で、その内部では「神人」と呼ばれる半透明の巨人が暴れ回る。 神人に暴れさせることでハルヒは自らのストレスを秘密裏に発散している(もちろん、無自覚で)。 最終的には世界を丸々覆うほどに拡大し、最悪の場合「現実」とこの空間とが入れ替わる可能性すら指摘されている。 これは“世界は「彼女が観測しているが故に存在するもの」であり、 すなわち、彼女が「世界を作った神である」”というシリーズ第一巻『憂鬱』の設定故。 先述の「嫉妬」云々も、彼女が密かに好意を持っている(と思しき)主人公と他の団員との戯れ合いでハルヒが非常にいらついたことが、『憂鬱』終盤の世界崩壊危機の引き金となったため。 参照:涼宮ハルヒシリーズの登場人物 鬼畜verでトレーナーとして登場する。 倒しても閉鎖空間は発生しないので安心して戦うといい。
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先ほど言ったと思う。 これからは何との交流が待っているのか。 それが楽しみだ、と。 こうしてとりあえずのハッピーエンドを迎えたからにはもうそれほど無茶なことはないだろうと思ったからだ。 ここで言う無茶なことってのは誰かに危険が訪れたり、世界におかしな現象が起きたりってことだ。 きっとハルヒはもうそんなことは望まないはずだ。 だってそうだろ?こうしてSOS団がいる。ハルヒがいる。少なくとも俺は幸せだったからだ。 悪夢はもう終わった。いや、あれは悪夢ではなくいい経験ですらあった。そう考えて俺は安心しきっていた。 だからその前触れに全く気付かなかった。 ハルヒのあの言葉を完全に失念していた。俺はあのとき微かに聞こえた言葉の意味を理解していなかった。 ひょっとすると、この悪夢はまだ始まってさえいなかったなのかもしれない。 ◇◇◇◇◇ 少年は空を見上げていた。 おそらくはもう会うこともないであろう少年の姿を思いながら、少しずつ赤く染まる空を見上げていた。 そのとき彼の携帯電話が着信を告げ、彼はそれに答える。 その電話は彼の良く知る少女から呼び出しだった。 その少女の楽しそうな声を聞きながら彼は思った。おかしい、と。 なぜなら、彼が想うその少女は、今は別の少年と共にいるはずだから。 そう、彼が先ほどから思い浮かべていたその少年と。 不安を胸にしまいながらも、少女の言葉に従い、彼は自分の過ごし慣れた場所へ足を向ける。 文芸部、もといSOS団の部室へと。 『涼宮ハルヒの交流』 ―最終章 後編― とりあえず俺の元気そうな様子にみな安心したのか、病室であるにもかかわらず、5人での会話は盛り上がる。 これからのSOS団について、これからの俺の仕事について、先ほどの三人の盗み聞きについて。 とは言っても長門はいつものようにあまり喋ることはなく、時々相づちを打つ程度だったが。 それでも今の俺からはそんな長門もなんとなく楽しそうに見えた。 話が一段落した後にハルヒが提案する。 「キョンも病み上がりだし、あんまり無理させてもあれだし、ちょっと休憩しましょ」 ……休憩?病み上がりだからゆっくり寝させてあげましょうって発想はこいつにはないのか? いや、ないんだろうな。 「そうですね。では何か飲み物でも買ってきますよ」 古泉が椅子から立ち上がる。 「今度はちゃんと買ってくるんだろうな?」 「もちろんですよ。信用がないようですね」 当たり前だ。こいつは信じられん。 「そうね。一人でみんなの分は持てないだろうから有希も古泉くんと一緒に行ってきて。 あたしはこいつの家族にキョンが目を覚ましたってことを連絡してくるわ。 みくるちゃんはこいつが変なことしないように見張ってて。あ、変なことされないようにね」 しねぇよ。何だよ。変なことって。 そういえばこんなことになって親は心配してるだろうな。……申し訳ない。 「じゃあ連絡は頼むな。元気だと伝えてくれ」 「ま、心配しなくていいわ。変なことは言わないから」 そう言ってニヤリと不気味に笑う。 こいつは言う。間違いなく変なことを言う。まじでやめてくれ。 「それでは行きましょうか。長門さん」 「行く」 長門は古泉の後ろについて部屋を出る。 「じゃあ、また後でね」 ハルヒも二人に続いて部屋を飛び出し、二人とは反対の方向に走り出す。 ……何だ?この感じは? 何かが変?いや、違う。少し前にも同じことがあった気がする。 同じこと?何か忘れているのか? 何だ?思い出せ。この感じは重要なことのはず。とんでもないことになるんじゃないか?あれは確か―― 「どうかしましたか?具合良くないんですかぁ?」 朝比奈さんの言葉で思考が中断される。 「いえ、問題ありませんよ。少し考えごとをしてただけですから」 「それなら安心です。良かったですぅ……」 呟くように言葉を発して、朝比奈さんはそのまま思いつめた顔でうつむく。 「……?朝比奈さん?」 少し間があり、小さく頷くと、朝比奈さんは真剣な表情でバッと顔を上げた。 「キョンくんは異世界に行ってたんですよね?」 「ええ、そうですけど。……ひょっとして嘘だと思ってます?」 「いえっ、そんな。……キョンくんが異世界に本当に行ってたことは知ってるの。……知ってたの」 「知ってた?どういうことです」 「詳しいことはわからないんだけど……、キョンくんが異世界に行くということは既定事項だったの」 なんだって?既定事項? 「てことは元々俺は異世界に行くことになってたってことですか?」 「そうなんです。そしてそのことを私は前から知っていました」 「なら、先に教えてくれるってのはできなかったんですか?結構大変だったんですよ。……って、すいません。」 つい声が大きくなってしまった。 朝比奈さんはまたうつむいてしまう。 「……ごめんなさい。詳しくはわかりませんがそれをあなたに先に教えることは禁則事項だったんです。 おそらくは……キョンくんが何も知らないまま行くということが大事だったんだと思うの」 そう言われてみればそうかもしれない。もしそのことを知っていたなら俺の行動は全く違っていたはずだ。 そうだとしたら、俺が異世界に行ったことが無意味だということにもなりかねないということか? 「なるほど、それは朝比奈さんの言うとおりかもしれません」 「でも、それを伝えられなかったことをキョンくんにちゃんと謝っておきたかったんです。ごめんなさい」 まったく、正直な人だな。言わなかったらわからないってのに。 そういえば、と、今の話を聞いてみて思い出した。 これだけ大量のお見舞いの品を持ってきたってことは、今日俺が目を覚ますって知ってたってことだよな。 この量は朝比奈さんからの謝罪の気持ちなのかもしれないな。 「それと、もう一つ謝らないといけないことがあるんです」 まさか、これからまた何かあるのか? 「キョンくんが異世界でどんな風に何をしてきたのかについて私は何もしりません。 でも、キョンくんがこっちに帰ってから何かがあるということはわかっていました」 つまり、その何かってのはさっきのあれ、告白のことですか? 「実は上からの指令で、キョンくんに問題が起こりそうになったらそれに対処するように言われていたんです。 それについても詳しくは聞かされていないのでよくわかりませんけど……。 それでさっき部屋の外で古泉くんと会って、キョンくんから目を離さないように話したんです」 ってことは、その指令のせいでさっきの告白が筒抜けだったってことですか!? くそっ、許せん。未来人め。なんという羞恥プレイだ。 「本当にごめんなさい。まさかいきなり告白するなんて思ってなかったの」 まぁそりゃしょうがないか……。 「ってことは、とりあえず何も問題は起こらなかったってことですよね?」 「……今のところは、そうみたいです」 未来人は何を考えてんだ?何が見たかったんだ?俺が一体何をするってんだ。 ……いや、そんなことしないっつーの!って、どんなことだよ。 「あのぉ、どうかしましたかぁ?」 いえいえ、なんでもないです。なんでも。 どうやら不審な様子が思いっきり出てしまっていたようだ。気をつけないと。 「正直言うと何が起こるのか少し怖かったんですけど、何もなさそうで安心しましたぁ」 そうですね。そんなこと言われると俺も怖くなってきます。 「まぁきっとなんとかなりますよ。特にどうしろって言われてないってことはそんな無茶なことはないでしょう」 「そうですね」 朝比奈さんも俺の言葉に頷き、ニコッと笑う。 「あまり心配し過ぎも良くないですよ。気楽に行きま――」 ガチャ、ドンッ!! 突然轟音を上げてドアが開かれた。 俺の知り合いでこんな荒い開け方をするやつは一人しかいない。しかもノックなしで。 「あら、みくるちゃん。キョンの調子はどう?」 「別にどうということはないぞ。健康だ」 びっくりして固まっている朝比奈さんに変わって答える。 「あらそう。ま、とりあえずは元気そうね」 ん?なんかおかしなこと言ってないか?さっきから元気だったろ? なんだろう、この違和感は。 「まぁいい。うちの家族はなんて言ってた?」 「家族?なんのこと?」 「は?何言ってんだ?俺の家に連絡してくれてたんじゃないのか?」 「連絡?……ああ、連絡ね。したした。ちゃんとしといたわよ」 いや、してないな。こいつはしてない。今まで何やってたんだ? なんか変だぞ。この感じは少し前にも……。あれは―― 「そんなことはどうでもいいのよ。それより……」 そこで最悪に不気味な笑みを浮かべ、 「あんたにおもしろい客を連れてきたのよ」 と言った。 嫌な予感がする。 たぶんこの嫌な予感は当たっている。 さっきの言葉、『じゃあ、また後でね』という言葉が頭に浮かぶ。 そう、さっきの言葉だ。 しかし、もう少し前にも聞いたような気がする。 あれはいつだったか。思い出せ。思い出すんだ。あれは……。 ……って、あのときか! しまった。なんでこんな大事なこと忘れてたんだ。ぐあっ、最悪だ。 あの時ハルヒは、『後でね』と確かに言ったんだ。 そう、このハルヒが。 「じゃ、呼んでくるわね」 「おい、ハルヒちょっと待っ――」 遅かった。 ハルヒはドアを勢いよく開け、 「いいわ。入りなさい」 と声をかけた。 満面の笑みを浮かべたハルヒの後ろから入ってきたのは、ほんの数時間前に別れたはずの『俺』だった。 見つめ合う二人。 止まる時間。 「ほら、挨拶しなさいよ」 『俺』がハルヒに引っ張られて前に出る。 「あ、キョンくんもお見舞いに来てくれたんですかぁ?」 って、朝比奈さん知ってるんですか?まさか、これも既定事項? 「……どうも朝比奈さん」 『俺』は朝比奈さんの方に軽く挨拶した後、俺の方に向き直る。 「……よぉ」 「あ、ああ」 はい、挨拶終わり。 戸惑う二人を楽しそうにニヤニヤ眺めるハルヒ。 しばらくの沈黙の後、『俺』が話しかけて来る。 「とりあえず元気そうで安心したぜ」 「ああ、おかげさまでな。心配かけてすまなかったな」 『俺』が首を振って答える。 「俺はいい。けど長門は心配してたぜ」 「そうだな。長門には本当に世話になった。こっちでちゃんと元気でやっていると伝えてほしい。 あと、弁当うまかった、ありがとう。って言っといてくれないか」 「ああ、長門に言っとくよ」 「へえー、有希に弁当とか作ってもらってたんだぁ」 こっちのハルヒと全く同じこと言いやがる。しかも同じ表情で。 話を変えるためにとりあえず状況を『俺』に聞いてみる。 「で、どうしてお前がここにいるんだ?」 「よくわからん。とりあえずハルヒに無理矢理連れて来られた」 「どうやってこっちに来たんだ?」 ハルヒは得意気にふふっ、と笑う。 「あんたが出入りしたおかげで異世界への行き方がわかったのよ」 ぐあっ、俺のせいかよ。いや、実際はこっちの世界のハルヒのせいだが。 「とりあえず、今はちょっとまずいん――」 「ひええぇぇぇええぇ!!」 突然朝比奈さんが絶叫する。 「キョキョキョ、キョンくんが、キョ、キョンくんが二人いるぅぅうぅ!!」 って今まで気づいてなかったんですか? 「あ、朝比奈さん、とりあえず落ち着いて下さ――」 コンコン。 「入りますよ」 挨拶と同時に入って来る古泉と長門。 「ああ、涼宮さんももう戻って来て……なっ!?」 ガッシャーン!! 古泉の手の中にあったジュースの缶が激しい音をたてて床を転がる。 ああ、なんという混沌とした状態だ。とりあえずみんな落ち着くんだ。 「こ、これは一体どういうことですか?何があったんですか!?」 二人の俺を見比べ、尋ねる古泉。 さすがの古泉も取り乱しているようだ。長門ですら少し目に動揺の色が見える。 とりあえず落ち着け、クールになれ古泉。今説明してやる。 「簡単に言うと、ここのハルヒとそっちの『俺』は異世界からきたハルヒと『俺』だ。で、合ってるよな?」 『俺』の方に目を向けると頷いて肯定する。 「どうやらそのようだ。俺はハルヒに無理矢理ここに連れて来られた」 「無理矢理って何よ。人を誘拐犯みたいに言わないでよ」 「いや、大差ないだろ。いきなりこんなところに」 「いきなりとかどうでもいいのよ。ついてきなさいって言ったらわかったって言ったじゃない」 「まぁ、それは言ったが……」 とりあえず二人で遊ぶのはやめてくれ。 「古泉、この状況はどうだ」 「おおよそしか把握できていませんが、正直あまりよろしくないですね。僕らの方の涼宮さんは?」 「まだだ。たぶん俺の家に電話中だろう。帰って来る前になんとかしないと」 「長門さん何か手はありませんか?」 「ないことはない」 「ではそれをすぐにお願いします」 「あまり推奨できない」 「とにかく時間がないかもしれません!お願いします」 必死だな、古泉。 「……わかった。情報連結解除開――」 「って、ちょっ、待て待て長門。それはダメだ」 長門、まさかお前までパニクってんのか。落ち着け、長門。お前もクールになれ。 それはさすがにまずいだろ。別の方法を考えよう。 「………」 「長門?」 「……今のはジョーク」 前言撤回。余裕ですね、長門さん。 さすがの古泉も口を開けて完全に固まっている。ちなみに朝比奈さんはとっくに固まっている。 「そうだ、あの見えなくなるフィールドみたいなやつは、どうだ?」 「私の権限では涼宮ハルヒという個体に対して力を行使することは許可されない。つまり……」 つまりなんだ? 「私には打つ手がない」 でもこれは違うハルヒだぞ。ならいいんじゃないのか? 「それでも無理」 なんてこった。こっちからは何もできないってわけか。 「とりあえずお前ら一旦帰ってくれないか?」 いちおう二人に言ってみる。 「嫌よ。せっかく遊びに来たのに」 「んなこと言うなって。また来ればいいじゃねえか」 「そんな簡単に言うけど結構疲れるのよ」 知らねえよ。俺の方が疲れるぜ。 「あのなハルヒ。こっちのハルヒに知られるのはまじでやばいんだ。頼む」 「そんな心配することないわ。あたしの方だってなんともないんだし」 「とりあえず迷惑っぽいし帰ろうぜ。何か起こってからじゃ大変なんだし」 さすが『俺』。話がわかるぜ。 「何かって何よ。そんなにたいしたことないかもしれないわよ」 「あのなぁ……たいしたことないって、あの古泉の様子を見てみろ」 そう言って『俺』は古泉の方を指差す。 古泉は完全に機能が停止している。目が虚ろだ。 「な、あのくらい大変な事態なんだよ。わかるか?」 「……わかったわよ。しょうがないわね。帰るわ!じゃあまた――」 ガチャ! ……例えて言うなら地獄の扉が開いたような気がした。悪夢はまだ終わらないのか? ひょっとしたら俺たちの交流はここからが始まりなのかもしれない。 ◇◇◇◇◇ エピローグへ
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(これは涼宮ハルヒの憂鬱を 格闘ゲーム化したら どんなふうになるのかを 予想したもの・・。) キョン -KYON- 「投げつけ」 【↑+A】 「叩きつけ」 【↓+A】 「空中蹴り」 【↑+↑+B】 「カウンター」 【←+B】 注意「技はゲージがMAX時しか使用不可能」 ━技名「蹴り殴キョンキョン」━ 「蹴り」 【B】 「2回蹴り」 【B+A】 「+強パンチ」 【↓】 みくる -MIKURU- 「みくるビーム」 【→+A】 「チェーンソー」 【接近して ↓+B】 「熱湯茶こぼし」 【→+B】 「エアガン発砲」 【B (連続押しで連発)】 「包丁切りつけ」.【B+A 同時押し】 ───技─── ━鉄パイプ刺し━ (ゲージMAX時) 通常に腹に刺す 【A】 顔に刺す 【+B】 即死刺し 【↓+A の後 →+B】 出現方法 「ハルヒ でSTORY MODE をクリア」 小泉一樹 - Koizumi - 「アナル槍刺し」 【背後で相手の方向+B】(女には無効) 「シイタケ殴り」 .【A(連続押しで連殴攻撃)】 「テドドン発射」 【↑で大きくし ↓+Aで発砲】 「テドドン射液」 【B(8回まで可能・行動停止する)】 「空中シイタケ」 【空中で A+B+B+A】 ─技─ (ゲージMAX時) 「キョンたん奪うYO」 【キョンに接近しA】 チームバトルのとき、 これを使うとキョンが仲間になる(キョンが敵の場合) 「シイタケ究極フィア」 1回目【A+↑】 投げ飛ばし 2回目【B+B】 (空中で) 射液2回 3回目【A+→】 とどめ 出現条件 「VIPスレッドタウン でVIPPERを9人犯す」 「キョン でホモハウスへいく」 長門 -NAGATO- パソコン投げ 【→+A】 ムチ攻撃 【A】(小泉にやるとシイタケカウンター) 銃発砲 【B】(連発可能。最大30発) ショットガン 【↑+B】(近ければ大ダメージ) マシンガン 【→+B】 マウス投げ 【↑+A】(連投可能) ─特殊攻撃─ 連続攻撃処理 【↓+B】 (連続攻撃・必殺技を相手が使っている 最中に押す) ───技─── ゲージMAX時 「情報連結解除」 【↑+→+↓+←+B】 10秒後発動。成功すれば相手消滅。 涼宮ハルヒ - HARUHI- かなりの最強キャラ 強蹴り 【A】(大ダメージ) ぶん殴る 【B】(大ダメージ) チェーンソー 【→+A】 (みくるのチェーンソーよりもダメージ大) 首絞め 【↑+A】(Aを連打すれば一時行動停止) 椅子攻撃 【↓+A】(中ダメージ。連打不可能) 日本刀斬【→+B】(大ダメージ。連打可能) ──技── (ゲージMAX時) 大波動砲 (火炎) 【A】 火炎放射の強化版発砲 大波動砲 (爆発) 【B】 (火炎)を撃った後に可能。即死。 ここから先は敵キャラになりまする ダーク古泉 =DARK HOMO= 最初 【殴攻撃 → 空中投げ →アナル砲】 ダメージ中【殴攻撃連続】 ダメージ小【即死攻撃 or 空中シイタケを連発】 死ぬ寸前【自爆。このときHPが少ないと死亡】 ゲージMAX キョンの場合 【アナル槍刺し。キョン即死。回避不可能】 長門の場合【戦闘終了。(長門は死亡しないで、)】 みくる・ハルヒの場合【↑と同じ。】 ラスボスの手下 「 1」 最初【スレ建て(HP回復)を行い、攻撃】 ダメージ中【豚投げ】 ダメージ小【VIPビーム】 死ぬ寸前【防御をずっと行う。】 ラスボスの手下2 「鶴屋さん」 【ハンドガン発砲】 受けるダメージは大きい 【ロケットランチャー】 1発使い捨て。食らうと即死 【ガトリング】 ダメージが少なくなるとずっと連発する 【にょろ】 34回、連続で殴る。1回のダメージは最小 LAST BOSS(キョン編) 「ダークハルヒ」 装備:血濡れ刀 【首斬り】ジャンプし、落下すると同時に首を斬る。即死 【心臓刺し】物凄い速さ。即死。しかし使用回数1回。 【振り回し】 左右に適当に振り回すwww -武器が【チェーンソー】に切り替わった時- 【首斬り】 即死。 【上下振り】 かなりの大ダメージ。食らうとHP1 【肩斬り】 肩にチェーンソーを乗せる。即死 LAST BOSS(長門編) 「朝倉」 【長槍刺し】 即死。長いので危険。 【生命処理】 謎の光に包まれると一発で即死 【武器処理】 されると、武器攻撃不能。技で我慢する 【足処理】 動けなくなる。(一時だけ、) 【生首入手】 首を斬られる。無論、即死。 LAST BOSS(ハルヒ・みくる・小泉) 「谷口」 【蹴り】 0ダメージ 【首絞め】 0ダメージ 【殴る】 0ダメージ 隠しキャラ みくる(スーパーコスチューム) 【↑+A】 みくるビーム・上 【↓+A】 地震マグニチュード9.0起こし ダメージ大 【→+A】 一回転蹴り 【←+A】 バルカン発砲 【A+A】 みくる雷ビーム 【B】 蹴り。(連発で40蹴り) 出現条件 「古泉 がキョンを犯す」 「涼宮ハルヒ ~ファイターズ・メモリ~」 税込み9800円 未発売中!!
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遅刻ぎりぎりで門をくぐった俺は、玄関で靴を履き替え駆け出した。 しかし、靴箱に例の朝比奈さん(大)からの指示文書が入ってなくてよかったなと思う。 読む時間など、今の俺には皆無だからだ。いや、もしかしたら時間など忘れて読んでしまうかもしれんが。 人影も無く、教室からの談笑が聞こえるのみの物寂しい廊下を駆け抜け、一路教室を目指す。 なんてことはない。すぐに到着してしまった。 戸をガラガラーっと開けると、岡部教諭が来たのかと勘違いした奴の目線がこちらに向かってきたが、すぐに元に戻った。 こういうのって気まずいよなー・・・となんとなく思いつつ、ぽっかり空いている俺の定位置に腰掛けた。 と同時に、後ろから奴の声がする。そいつは頬杖をつきながら外を見つめ、横目でこちらを見ながら、 「遅かったわね。あんたが遅刻なんて珍しいじゃない」 と話かけてきた。まぁ分かるとは思うが、涼宮ハルヒだ。 態度でも分かるが、声のトーンが少し低いからして、あまり機嫌は良くないらしい。 「寝坊しちまったんだよ。高校入学以来初だ」 わざわざ振り向いて言葉を返してやったというのに、ハルヒはちっともこちらを向こうとしない。 「どうした、ハルヒ。窓の外に怪しい人物でも発見したのか?」 「別に。ただ、あのあたりであんたがニヤケ面のまま歩いてきてたな・・・って思っただけ」 ・・・ちょっとまて。俺はそんな顔してたのか?全く自覚が無いが。 「自覚してないわけ?ま、みくるちゃんの新コスプレを考えてたときほどじゃないけどね」 バニー、メイドと来たら・・・っていろいろと考えてたんだよな。 結局その後初めて着たコスプレは何だったかな・・・凄く似合ってたんだが・・・えーと・・・、 「・・・・ニヤケ面」 「お前が朝比奈さんの話を出すからだろうが」 朝比奈さんの姿を思い浮かべて微笑むことのない男子など、この世にはいないと思うぞ。ホモ以外でな。 「まぁいいわ。それより、あんたと一緒にいたのって昨日部室に来てた子じゃないの?」 あぁ。お前の話を(唯一)熱心に聞いてた子だよ。 「やる気があるのは結構なことだけど、なんとなく不思議さが足りない気がするのよね・・・」 「俺は不思議でもなんでもないだろうが」 不思議的存在でないのは俺だけだ。SOS団の構成員の中で唯一の普遍的存在が俺なんだよ。 「あんたは雑用係なんだから関係ないのよ。不思議を見つける手助けをする役目なの。それよりね」 それより? 「・・・あんまり団と関係の無い子とそーゆー誤解されるような行動をするのは慎みなさい」 いきなり何だよ。恋愛感情やらその辺のことにはことさら無関心なのがお前じゃないか。 「別に、あんたが誰と付き合おうとあたしの知ったことじゃないけどね」 「そういう行動ばっかりしてると、SOS団がただのお遊びサークルだっていう風に誤解されるのよ」 実際、そのとおりだと思うんだがな。SOS団もお遊びサークルのようなものだ。 いまだにSOS団の活動で不思議を(ハルヒが)目の当たりにしたことなんて皆無だし、 夏休みに孤島に合宿に出かけたり、夏祭りに行ったり、プール行ったり、 冬休みに雪山で遭難しかけたり(これは事故のようなものだが)、春に花見したりっていうのはそういうサークルのやることだ。 イベント好きという点ではSOS団団長も、お遊びサークルの長も一緒らしいな。 目的がそもそも違うが。 「ま、そういうことだから。あんまりいろんなところでニヤケ面晒すんじゃないわよ」 「ニヤケ面は余計だ。第一、俺にそんな下心はだな・・・」 俺が不機嫌そうな声で言った時にやっとハルヒはこちらを見据え、 「いいから。とりあえずそういうのは無しよ。いいわね?」 反論などできん。したらハルヒの怒号が教室中に響きわたることだろう。このエロキョン!!とかな。 そんなことを言われたら、この教室に居づらくなる。 しかし、ハルヒがこのような反応を見せたのは意外としか言いようがなかった。 いままで、男女関係に対する興味など皆無だったあいつが、団がどうのと言いながらも口を挟んできたことがだ。 俺と渡が特別何かをしたわけでもないのに。 . . . . . 疑念の尽きないまま授業を受け、そうするうちにお昼時となった。 いつもどおり、国木田と谷口と一緒に食べる。 始めはいつもどおりのたわいも無い雑談だったのだが、途中でアホの谷口が余計なことを口走った。 「ところでよー、キョン。朝のあれは何だったんだ?」 箸の先をやや俺側に向けながらそう言いやがった。 「さぁな。(モグモグ)・・・俺にもわからん。いつもは『恋愛感情なんて精神病の一種よ』とかいうやつなんだが」 やけに塩辛い焼き鮭を頬張りながら答える。 「あいつらしいな、その言葉は。んで、キョン」 気持ち悪いくらいにニヤケた面をした谷口は、 「俺にはなんとなく読めるぜぇ、あいつの考えてることがな」 自分でニヤケている時には自覚がないが、他人のニヤケ面というのはここまで不快なものなのであろうか。 「もっとも、あいつの思考回路が一般的な女子高校生と同じものだったらの話だけどな」 ハルヒの精神分析は古泉の得意分野だ。 その古泉曰く、あいつの思考回路は実のところまともらしい。 真実はプロである古泉の口から聞くことにして、冗談半分で谷口の仮説も聞いておくことにするか。 ハルヒが教室内にいないことを確認し(今日は学食だな)、谷口に命令する。 「言ってみろ」 焼き鮭を全て飲み込んだ後で本当に良かった。 そうでなければ噴き出していだろうからな。 ・・・谷口の出した回答は、それだけの意外性と破壊力を持っていた。 「簡単なことだ、涼宮はお前が他の女とイチャついてたら面白くないんだ。要するに・・・キョン。あいつは、」 ―――あいつは? 「お前のことが好きなんだよ」
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春休みの非常にうれしいハプニングが昨日のことのように感じる今日、始業式だ。 無事に進級を果たし、新しいクラスに胸を踊らす・・・なんてことは無いと言えばうそにはなるんだが。 ま、ちょっとは期待していたわけだ。 すぐに、その期待は裏切られたわけなんだが。 俺とハルヒは2年5組で席も同じだ。谷口に国木田も阪中までも一緒だ。変わったのは2人ぐらいだろうな。 ちなみに、俺が知ってるのは古泉は9組、長門は6組、朝比奈さんと鶴屋さんは同じクラスらしい。要するに前と同じだ。 面白みのかけらもないクラス編成に文句をいいたくなるやつも出てくるだろうが おそらく無理だな。 神様が決めたことなんだから。 ま、そんなことは予想出来てたわけなのだ。 だから、実のところ少しもがっかりしていない。 そして、また実を言うと俺は今ハルヒと二人きりだ。なぜかって? 俺が珍しく早起きしたからだな。 「おう、ハルヒ」 「ん、おはよ。キョン」 ずいぶん、おとなしくなったなこいつも。 「元気か?」 「なに言ってるの。昨日不思議探索したじゃない」 正しく言えば買い物だ。それも、朝比奈さんのコスプレをだな。 さりげなく、自分のも買っていたようだな。ま、それというのも俺が前日電話で 「なあ、ハルヒ」 「なによ、こんな時間に」 「俺、実はポニーテールの次にウェイトレス萌えでもあるんだ」 「な、何言ってるの!?・・・フフーン。まあ、考えとくわ」 「よろしく」 なんてことを吹き込んだからな。午後が楽しみだ。 すると、以外にもう教室が埋まってきていた。 「おい、キョン!」 「なんだ?谷口。あ、国木田もいたのか」 「おはよう、キョン」 「で、なんだ谷口」 「なんで、クラスのメンバーが全然変わらないんだ! そして、お前いつから、涼宮と付き合ってるんだ?」 谷口の話を反対の耳へ受け流す体制をとっていた俺の脳内は 非常に動揺した!なぜ、それをこいつが・・・いや、待てハッタリかもしれんぞ 「なにいってるんだ?お前・・・頭がおかしくなったのか」 「とぼけるなよ!・・・だって涼宮の野郎が言ってたんだぞ」 「・・・どういうことだ?」 「いや、この前・・・ 「あー、ヒマだ。キョンにナンパ断られるし・・・アイツ彼女でもできたんじゃないよな?」 チロチロチロ~ン 「いらっしゃいませ」 「えーと、菓子でもないかな~KAKAKA菓子はどこ~♪」 「キョン~キョン~愛しのきょん~♪」 (・・・なに?やはり、キョンのやつ彼女つくってたのか・・・ん?この声は涼宮じゃねえのか?) 「キョン~」 「やっぱりだ・・・」 ・・・と、いう出来事があってだな」 ハルヒ・・・なんちゅう失態だ。 俺としてはうれしいんだがな。すごく 「実はそのとおりだ」 「いつの間にお前は!まあ、アイツなら俺は文句はいわん。 あんな変な女を手に負えるのはお前だけだ。 国木田の言った通りだよな。本当にお前は変な女が・・・」 「谷口・・・おまえちょっとこい」 「ははははは。バカだなぁ谷口は。まあ、頑張って」 「いや、ゴメン本当に俺が悪かった。スマン。いや、今のは冗談。やめてくれぇ・・・・・」 「後悔先に立たずって知ってるか?」 「キョンの言う通りだなぁ。自業自得だよ」 「ぎゃあぁぁぁああぁぁぁぁあぁぁあああああぁぁぁぁああああああああっぁあああぁぁぁ!!!!!!」 この悲鳴が誰のものかは言うまでもないだろう。俺が出させた悲鳴だしな。 「うううぅ・・・」 「これでよし」 ガラッ 「よーし。席につけ~」 入ってきたのはもちろんハンドボールバカ岡部だ。 なにが変わっているんだろう。 「今日は転校生がいる」 一部の人間がおおおおと歓声もどきをあげている。 そして、男衆の目が輝きだしたぞ。特に谷口だ。女でありませんように。 「入ってこい」 よかった。男だ。男衆はみんながっくり来ている。 どんなやつなんだろうか。 「カナダの日本人学校から来ました。 長門有樹です。2年6組の有希の双子の兄です。 これから、2年間お願いします」 ・・・なに。長門の兄って明らかな、インターフェース宣言してるじゃないか。 皆が知る由もないが。 そして、谷口の目が輝いているのが気になる。おそらく、あいつの力で近づこうってことだろう。長門にだ。いや、有希だな。 ・・・こいつが来ると、ややこしい事になるぞ。 にしても、思念体はカナダが好きだな。 「うーん。有樹君は涼宮の後ろに座ってくれ」 よりにもよって、一番マズイ場所へと・・・ ハルヒの目は?マズイな。こりゃ明らかな勧誘だ勧誘パーティーだ。 朝のHRが終わると、即話しかけているやつがいる。もちろんハルヒだ。 「あなた有希の兄ってホント?」 「はい。いろいろとわけあって離れて暮らしていましたが、 二週間前にここで住み始めたんですよ」 「ふうん。にしても、有希と違ってずいぶんおしゃべりなのね そして、丁寧言葉なんて」 「あれ?素でしゃべっていいですかね?」 「別にいいわその方が、なじみやすいわよ」 「そうか。じゃいいや。で、なに?」 ・・・驚きだ。なんだこの豹変ぶり。普通の高校生っぽい話し方なんだが。驚きだ。 長門のほうが・・・ああ!有希の方もしゃべるとこんなのなのか?」 「単刀直入に言うわ!SOS団に入りなさい!」 「いいなそれ。人助けか」 いや、本当に単刀直入でいいな。 そして・・・このインターフェースは何も知らないのかも知れない。バカか。 「違うけど、それでいいわ!いい、放課後絶対に部室に来なさい!」 「いや、部室なんて知らないんだが」 「わかったわ。ちょっと、キョン!有樹を放課後案内しなさい!」 「わかったよ」 そんなこんなで、放課後だ なぜ、有樹について聞かなかったって? 当り前だろう。部室で聞けるからだ。 第一章
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神様の力が収束する原因となった最後の大事件――まあこれは後々何らかの形で知ることになると思うが今は言わないでおくとする――それを契機として俺の波乱万丈の高校生活はプツリと終わりを告げた。 宇宙人、未来人、超能力者と共に過ごした日々。大学を卒業したばかりの俺にとってそれは既に酒の席での笑い話と相成っている。まあ、専ら語り合えるのは元超能力者とだけであるが。 この話はその他大勢の一般人、谷口を筆頭とする奴らに聞かせてやったことはない。 話したところで頭がおかしい人、という不名誉なレッテルを貼られてしまうから止めてある。 それに俺だって進んで他人に教えてあげようとは思わない。これは俺たちだけの秘密だからだ。 とりあえずそんなわけで俺は平和に過ごして……………おっと、言い忘れたが、元宇宙人は立派な人間となり、元未来人……いや、今も絶賛未来人であるだろう愛すべき彼女は未来へと帰ってしまった。 つまり世界をいいように改変できる人間は現在この世界に存在しない。そう、この世界には、な……… 収まったかに思われた事件、しかしそれは未だに全て解決したというわけではなかった―― 「……はあ、はあ」 俺は今走っている。何故かと言われれば新しい仕事場に遅刻しそうであるから、としか言いようがない。 畜生、あいつがもっと早く起こしてくれたらこんなことにはならなかったのに―― 「――おい、どうして起こしてくれなかったんだ!お前だって今日は俺にとって大事な日だってわかってるだろ!!」 俺はネクタイを締めながらそう怒鳴った。 怒鳴っている相手は俺の同棲相手である―― 「え?ああ、キョンがあまりにも気持ちよさそうに寝てたから起こすのが申し訳なかったのよ」 ――涼宮ハルヒ。 大学在学中に俺から告白し今に至る。周りからは遅すぎるとか散々文句を言われまくったがな。 しかしまた俺が告白するまでにもいろんなことが起きた。 ハルヒの誤解、俺の誤解etc.と言い出したら切りがないほどに。 「あのなぁ、だからといって……」 ハルヒが捨て犬のような目で見つめてくる。 これはハルヒが俺と付き合いだしてから身に付けたものであり、馬鹿……うん、ハルヒ馬鹿な俺はこれをやられると何でも許してしまう。仕方ないんだ。 「はあ、もういいよ。とにかく急がなきゃならんからもう行くぞ」 「ご飯食べないの?」 「いい。食ってる暇はない」 ハルヒがまた見つめてくる。 ええい、止めてくれ。本当にやばいんだよ。 「ま、しょうがないわね」 「わかってくれたか。じゃあ行ってくる」 「あ、キョン!」 「何だ?」 「頑張ってね」 「…………ああ」 で、こんな感じで走っている。ちなみに新しい仕事場とは学校、学校の名前を言っちまえば光陽園学院である。 大学のときに何を間違ったのか教員免許などを取得してしまった俺は、そのままハルヒの説得もあり川の水が流れるようにサラサラと、気付いたときには今の状況になっていた。 「はあ、はあ……ふぅ」 やっとのことで校門の前まで辿り着く。 校舎内に入ると、全力で走り疲れているのか頭がクラクラしてきた。視界がぼやけていく―― 俺はバランスを保つため思わず近くにあった柵を掴んだ。 その瞬間、世界の色が変わったような感じがした。 しばらくそのままでいると楽になってきたので、辺りを見渡す。しかし対して変わったようなところは見受けられない。気のせい、か……… そう思った俺は学校に備え付けてある時計をチラリと伺う。全力で走った効果があったのか、なんとか間に合ったようだ。 俺は息を一つ吐いて多少疲れの残る足で職員室に向かった。 ………冷静に考えておけば良かった。後から思い出したが光陽園学院は女子高のはず。 そのことをすっかり失念してしまっていた俺は何の違和感も持っていなかった。周りの生徒の中に人数こそ少ないが男子がいたということを。 俺は前任の先生と会うこととなっているため職員室へと急いだ。 前任の先生から聞いたところによると新任の先生がクラスの担任を任されるのは光陽園学院の伝統らしく、俺はめでたく二年の担任となった…………いや、この場合なってしまったが適切か。 本当に俺なんかに一クラスを任せていいのか、と思うがあの頃の言い方をすれば規定事項だから仕方がないのだろう。 自分が担任するクラスの教室に向かう最中、付き添いの先生から俺の受け持つクラスについていろいろなことを聞いた。 ――問題児がいるんですよ。 問題児? ――そうです。去年の年末くらいから………以前はそんなに問題が無かった子なんです。成績もいたって優秀でしたし。 最近はまだ落ち着いてきていますが、それでも新任の先生にはきついかもしれませんね。 俺は、はぁ、と曖昧な返事をする事しかできなかった。 いきなりハードルが高すぎるんじゃねえのか? いや、だがしかし高校時代にハルヒに散々引っ張り回された俺だ。ただのひねくれたやつくらいならどうってことない、とは思うが…… 「じゃあ先生、頑張ってください」 「はい」 教室の扉の前で大きく深呼吸をする。 まだチャイムも鳴っていないというのに教室からは話し声があまり聞こえてこない。 さすがは進学校といったところか。北高とはえらい違いだ。 そう考えると俺でいいのか、という疑問はいくら誤魔化してもやはり完全に拭いきることができなかった。 確かに俺もハルヒと同じ立派な国立大に入ることができた。 しかしあれはハルヒが一生懸命指導してくれたからであって、俺自身が他人に教えることができるほど勉学に自信を持っているわけではない。 ましてここは有名な進学校、ちょっとやそっとの知識じゃ通用しない。 …………いかん、かなりネガティブになってしまっているな。 ええい、もうこうなったら当たって砕けろだ。 俺は勢いよく扉を開け教室に入った。クラス中の視線が俺に集中する。 うう、止めてくれ、そう珍しいものを見るような目は。 俺は教壇の前に立ち、生徒たちの顔を見渡す。 と、席が一つ空いているのに気付いた。休みか何かなのか? 「ああ、あの席の子なら偶にしか来ないんです。一年の冬辺りからかな、それまでは休みなんかなかったんだけど……」 俺の視線の先に気付いたらしい前の席の女子生徒が教えてくれた。 成る程、例の問題児か。 まったくやれやれだな。 ここで問題児の名前でも確認するとするか、と思いクラス名簿を見ていたとき、教室の扉が凄まじい勢いで開いた。 そして扉が開く音と同時に俺は名簿に有り得ない名前を発見する。 いや、まさか………どうなってるんだ…… 恐る恐る顔を上げた。教室に入ってきたばかりである噂の問題児と目が合う。 「………ジョン?」 ひとくくりに纏められた長い髪―― 「ジョンなんでしょ!?」 不満を詰め込んだような顔―― 「あんたどこ行ってたのよ!!…………この4ヶ月間、ずっと探してたのに………」 およそ七年前に見たときよりもほんの少しだけ成長したであろう姿―― 「ちょっと、何か答えなさいよ!」 長門が生み出した改変世界、そこでは光陽園学院の生徒として存在していた―― 涼宮ハルヒが、そこにいた―― 続く
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「3年前とはどういうことだ」 「目的は朝比奈みくるを連れ戻しに行く。それを実行した後涼宮ハルヒのところに行く。」 なるほどおんぶしていた朝比奈さんをか、待てよそんなことをして歴史は変わらないのか。 「歴史の変化に影響はないのか?」 「仕方ないこと。」 「この状況ですからね。」 久しぶりにしゃべったな古泉。 「善は急げだ、早く行こうぜ。」 「急がばまわれともいいますが…」 お前は黙っていろ。「行くぞ長門、古泉。」 「了解した。」 「わかりました。」 でもどうやっていけばいいのか? 「心配ない。つかまって。」 そういって俺と古泉は長門につかまった。するとものすごいめまいがした。少しの間気を失った。 「お目覚めですか?」 「ここはどこだ。もう3年前なのか?」 「そうなりますね」 「長門はどうした?」 「朝比奈さんを連れ戻しに行きましたよ。」 「そうか、暇だな。」 「オセロでもしますか?」 こいつは馬鹿なのか。 「それとも人生ゲームがよかったですか?」 「そういう問題ではない。」 「そうですか残念です。」 雑談をしてると長門が戻ってきた。朝比奈さんを連れて。 「長門、これで3つ目の鍵がそろったのか?」 「揃った。残すは、涼宮ハルヒのみ」 やっとここまで来たか。長い道のりだったぜ。 「それで長門、ハルヒはどこにいるんだ?」 「彼女の閉鎖空間にいると思われる。」 「どういうことだ」 「そのことについては僕が説明します。つまり、涼宮さんの願いが詰まった空間に僕と行ってもらいます。 そして涼宮さんをこの世界に連れ戻してきていただきます。そして5人が揃うとすべてが元通りになるはずです。」 「詳しいことは分かった。早く行くぞ。」 「了解しました。それではこちらに。」 「おう。長門、朝比奈さん待っててくださいね。ハルヒを連れてきます。」 すると長門が俺にささやいた。 「気をつけて。急進派はこれから何か攻撃を仕掛けてくると思われる。だから、これを持ってて。」 そういって長門は俺にライフルを渡してきた。 「玉の先に再修正プログラムが自動的に起動する薬品を塗っておいた。だから、心配しないで。」 それは、心強いが「再修正プログラムって何だ?」 「再修正プログラムが起動されると、急進派の動きが止まり、情報連結が解除される。」 「分かったよ。やれるだけやってみるよ。」 「あなたに賭ける。」 いつの日か聞いた言葉だな。 「そろそろ時間です。行きましょう。」 分かったよ。 閉鎖空間に向かう途中で古泉が、「僕の腕の魅せ所ですね。」 「お前にも頑張ってもらわんとな。」 「そうですね、SOS団副団長の古泉一樹ですからね。」 そういった古泉はなんだか少しかっこよかった。ちなみに俺は、ホモではないぞ。 「まあ頑張ろうぜ。」 「全力を尽くします。」 そういった俺らの前にある人物が行く手を遮るように立っていた… お前は! 「キョン君久しぶり、元気だった?」 朝倉涼子だ。あのときを思い出すぜ。クソ。 「お前が最初の敵か?」 「そうなるわね。早速行くわよ。」 そういって朝倉はナイフを俺に向けて投げてきた。 「危ねぇじゃないか。」 「そういう風にしたもん。」 クソ忌々しい、仕方ないあれを出すか。 そういって俺はライフルを出した。 「ついに使いますか。」 「仕方ないだろ、この状況だ。」 すると朝倉が「何その物騒なものは?」 「この玉がお前に当たるとお前は情報連結を解除される。」 「そっか、でも私にそんなの関係ない。」 そういって朝倉は、俺に向かって来た。関係ないとはどういうことなんだよ長門。 仕方ない俺もこんなとこで死ぬわけには行かない。 バーーーーーーーーーーーーーン そういって俺は引き金を引いた。 3章につづく